4660 新幹線って…

鉄道

車内で現代アートが鑑賞できる新幹線「GENBI SHINKANSEN(現美新幹線)」の運転開始日と運転予定日、ダイヤが発表された。

外装は蜷川実花さんがデザインし、黒地の車体全体に夏の夜空を彩る長岡の花火を描き出す。内装は各車両ごとに異なるアーティストがデザインし、今回のために製作した現代アートでそれぞれの空間を演出。13号車はカフェスペースとなっており、アートの展示とともに、魚沼産米粉のバニラケーキといったスイーツや、燕市「ツバメコーヒー」こだわりのコーヒーなど、新潟に根ざした食事を堪能できる。

発表当初から、運転区感が越後湯沢‐新潟間ということだったが、正式に発表されたダイヤを見て、あらためて「あれ?」と思った。

運行ダイヤ
とき451号  8:24 越後湯沢 ⇒新潟  9:14 所要時間 50分
とき452号 11:26 新潟 ⇒越後湯沢 12:20 所要時間 54分
とき453号 12:44 越後湯沢 ⇒新潟 13:38 所要時間 54分
とき454号 14:02 新潟 ⇒越後湯沢 14:56  所要時間 54分
とき455号 15:20 越後湯沢 ⇒新潟 16:14  所要時間 54分
とき456号 18:18 新潟 ⇒越後湯沢 19:08 所要時間 50分

上越新幹線の臨時列車「とき」として運転するのだけど、気になったのはその所要時間。

上越新幹線の各駅停車として運転するものの、越後湯沢から新潟では、短ければわずか50分で着いてしまう。

たった50分ちょっとで、車内のアート展示を楽しみ、スイーツや地元の食材を味わうなんて、慌ただしくて仕方がない。

せっかくの企画で、せっかくの車両なのに、なんだか、もったいないなぁ…

在来線車両で作った方がいいんじゃないかなぁ…と思ってしまう。

そりゃそうだ、新幹線というのは、そもそも「主要都市をできるだけ短距離・短時間で結ぶ」ために作られているのだから、各駅に止まったって、あっという間に着いてしまって当然。

そもそも…といえば、前日に北陸新幹線の敦賀大阪間のルートについて検討してきた政府与党のプロジェクトチームが、あらたたなルートを加えてきて、ビックリしたのを思い出した。

現在開通している北陸新幹線の金沢から敦賀までは建設が進められているが、敦賀から大阪までの区間についてはルートが決定していなかった。

これまで検討されてきたのは、以下の3つのルートだった。

米原ルート 敦賀‐米原
湖西ルート 敦賀‐京都
小浜ルート 敦賀‐小浜‐新大阪

小浜ルート(若狭ルート)は、1973年策定の新幹線整備計画に明記された公式ルートではあるが、大都市を通らないのと新規建設区間が長いので収益性に疑問符がつく。

米原ルート、湖西ルートは、建設区間は短いものの、ダイヤが過密な東海道新幹線を通すのが困難という問題がある。

そこへ、新たなルートが加わる。

小浜・京都ルート 敦賀‐小浜‐京都‐新大阪

こちらは、新幹線整備計画に明記された公式ルートに沿いつつ、経済的な結びつきの強い京都を通ることで収益性も確保できるという点で、JR西日本が提案している。

諸問題はあるにしても、これが一番現実的な感じかな…と思っていたところに、あらたまルートが登場したのだ。

舞鶴ルート 敦賀‐小浜‐京都‐関西空港

小浜と京都に加えて、あらたに舞鶴が加わり、新大阪を通らず、目的地が関西空港になっている。

なんだこれ?

地図で見ると、その繋げられるだけ繋いでみた感、その異様さが一目瞭然。

北陸新幹線延伸ルート案

どうしてこんなことになるのか…は、この与党プロジェクトチームの代表が、京都選挙区選出の参議院議員であることからしても、推して知るべしだ。

「主要都市をできるだけ短距離・短時間で結ぶ」ための新幹線のはずなのだけど、現実は必ずしもそういうことではないようだ。

Posted by ろん