6954 都営大江戸線六本木駅エレベーター故障中
都営大江戸線六本木駅のエレベーターが故障して復旧のめどが立っていないという。
そのニュースを聞いて、理由はすぐに想像できた。


以前から、都営大江戸線で採用しているエレベーターやエスカレーターは海外製ばかりだったことは知っていたので、きっと部品の調達に手間取っているのが原因だろうと思ったら、その通りだった。
ここで採用されているエレベーターは、コネ(KONE)というフィンランドのメーカーだった。
日本では大江戸線くらいでしか見かけることがない気がするが、世界的なシェアではオーチス、シンドラーに続く、第3位という規模だそう。
日本では、三菱、日立、東芝、フジテックがほとんどで、海外メーカーを見る機会はほとんどない。
こういった状況もあってか、コネはすでに日本から撤退してしまい、メンテナンスも滞る事態に陥ったようだ。
「駅のバリアフリー設備は長期にわたり使用する重要なインフラの一部。故障時の対応やメンテナンス、部品供給の維持もしっかりと考えて発注すべきだ」
たしかにそれはそうだ。
おそらく競争入札で当時一番安かったことで、このエレベーターが採用されたのだろう。
大江戸線の車体のサイズをできるだけ小さくしてトンネル建設コストを削減したり、完全な環状運転を断念し、都庁前駅での折り返しにより”6の字運転”とするなどして、建設費を圧縮をしてきた経緯を考えると、とにかく初期コストを下げたいという考えが先行したことは想像に難くない。
その結果、将来日本から撤退してメンテナンスに支障をきたすというところまで見通せず、メンテナンス契約に今回のような事態にならないような記述を盛り込めなかったのだろう。
いや、初期コスト削減が絶対であったとしたら、想像はできたのかもしれないが、”見て見ぬふり”をしたのかもしれない。
考えさせられるニュースだった。