カタツムリの謎/野島 智司

■いきもの,龍的図書館

カタツムリ…ときどき見掛けることはあるけど、最近はじっくり観察する機会はなくなった気がする。

たまたま図書館で新着図書として紹介されていたので手にとって読んでみた。

本文のちょっと難しい漢字には、ふりがなが振ってあるので小学生向けかなという感じもしたが、内容はけっこう本格的。

日本には実に800種類ものカタツムリが生息しているということに、まず驚く。

葉や木の芽、花びらはもちろん、なんとコンクリートも食べるのだという。

なぜコンクリート?

目的は…というと、カタツムリの殻は、カルシウムでできていて、成長するためには必要なのだという。ある意味サプリメントみたいな感じかも。

カタツムリは、その交尾の仕方のせいで、同じ巻き方でないと交尾ができないらしい。

数の少ないヒダリマキマイマイのような、左巻きのカタツムリが進化してきたことは、謎とされているという。

何気なく見つけたカタツムリ…左巻きだった逆に巻いてるカタツムリの存在自体意識することがなかったけど、古い写真を検索してみたら、実際に見ていたことがあるようだ。

また、謎と言えば、カタツムリの独特な歩き方についても、分かってないところもあるそうだ。

カタツムリを好んで食べるヘビのなかには、右利きがいて、この場合左巻きのカタツムリを食べることができなかったという報告もあり、先述のヒダリマキマイマイが生き残ってきたことに関係しているのかもしれない。

また、カタツムリを主食とする昆虫(マイマイカブリ)や、死んだカタツムリの殻の中にだけ巣を作るハチ(マイマイツツハナバチ)など、カタツムリとあわせて、興味深い生き物が多数登場。

未だに新種が発見されているとか、油性ペンでも落としてしまうほど汚れない仕組みを持った殻など、カタツムリに関する、さまざまなエピソードが紹介されている。

とても身近な生き物でありながら、分からないことが多いのが、カタツムリという生き物なのだ。

Posted by ろん