日本の風景を殺したのはだれだ?/船瀬 俊介
日本の風景を殺したのはだれだ?―よみがえれ!美しい緑の列島…。景観修復から経済の再生へ 船瀬 俊介 彩流社 2004-02 |
「自分の好きなデザイン、色で家を建ててナニが悪い」「高い金払うビルや。好みの外観にするのは当然」「個人の財産権や。憲法でも保障してまっせ…」。今の都市の風景がゴチャゴチャしている背景をこんな言葉でまとめている。でもなんでみんな関西弁なんだろう…と思ったところから、この著者のかなり偏向した書き方が鼻につく気がしてきた。この著者の船瀬俊介って、あの「買ってはいけない」の著者でもあったのね。視点は悪くないし同感できる部分も多いのに、書き方がどうも気に入らない。この違和感は何なんだろう。箱根湯本駅の改修を小田急に頼んでみたり(実際は箱根登山鉄道)、川越の蔵造りの街並みのある商店街を「小江戸通り」と読んでみたり(実際は一番街)、知ってる人が見たらすぐにおかしいと思うところがこうして出てくると、他の記述も胡散臭く見えてきてしまう悪循環。日本の建築にもの申す姿勢はいいんだけどね…
(2004/10/09) 【★☆☆☆☆】 -04/10/10更新