4464 ITは本当に人々を幸せにしてくれただろうか?
先日、YOUは何しに日本へ?を見てたら、ちょっと気になったCMがあったので、あとから、インターネットから視聴してみた。
場面は結婚披露宴。主役の2人をスマートフォンのカメラ機能で盛んに撮りまくっている。
画面にこんなテロップが…
ー デジタル社会は便利だ ー
たしかにそう。便利な世の中になった。
スマートフォンで、遠く離れた人と、その場の様子をリアルタイムで共有だってできる。
しかし、来賓も、子供も、接客係までも、スマホばかり見ている。
ー でも、本当に人々を幸せにしてくれただろうか? ー
涙ながら話をする新婦挨拶でも、皆、スマートフォンやタブレット、なぜかパソコンに夢中になっている。
ー いつの間にか、囚われてはいないか。 ー
照明係もスマホに夢中になり、主役へのスポットライトがずれてしまう。
もう会場に集まっている人たちのすべてが、手元の機械を覗き込んでいる。
花束贈呈が終わると、新郎新婦そして両家の両親までもスマホを見始める。
突然、会場の照明が一斉に落とされ、会場の人たちは驚く。
ー 変えよう ー
カーテンのスクリーンに、子供の写真が映し出されたのだ。おそらく新郎新婦の写真だろう。
最後に…
ー ITはもっと幸せを作れる ー
…と記されて、CMは終わる。
このCMを見て、最初に思ったのは…
インターネットなんてなくなっちゃえばいいのに…
…ということだった。
インターネットをはじめとするIT技術の進展が、世の中を大きく変えた。
もちろん、おかしなことを言ってるのも重々承知しているし、ITによって、人々は計り知れない恩恵を受けてきたというのも間違いない。
それでも…
失ったものが余りに大きいんじゃないか…という思いを強く感じてしまった。
CMでは、カーテンに映し出された子供の映像に感動するというストーリーだったが、実際では、スマホで撮影してYouTubeやニコニコ動画に流されるのがオチだろう。
会場にいる誰もが、心ここにあらず…という光景は、CMの演出とはいえ、きわめてリアリティがあったし、既視感もあったから、よけい重苦しい気持ちになってしまった。
もちろん、ITだって、道具のひとつに過ぎないのだから、使い方次第だってこともわかるのだけど…。
しばらく、いろいろと考えさせられそうだ。