4373 “自分ルール”を持ち込む人
こんなニュースが話題になっていた。抜粋すると…
「急いで乗ったために指定席の空いているところに座ったため、車掌が自由席に移動しろと迫ってきた」「(その席を予約していた本来の乗客が)来られたら移動ではダメですか」
と言う男性の要求に、車掌は聞き入れなかったという。
仕方なく指定席特急料金(3120円)を支払ったが、男性は釈然とせず、
「指定席券がとれるのであれば、席は新大阪まで空いてるではないか」
と主張し、車掌の実名を挙げ「だから、新幹線は嫌いです」とツイートしたという。
まぁこの男性が言いたいことはわからなくもない。
たしかに、すでに指定券を購入していたし、いま自分の座った指定席には誰も座っていない。
だったら自分がそのまま座っていても問題がないではないか…と。
たしかにその通りだけど、それを言い始めたら、キリがなくなるだろう。
あくまでも指定列車の指定座席に座るための“指定席”の“指定券”なのだから、その考え方は明らかに誤っている。
どんな決まりでもルールでも、それらが存在するということは、ある程度の合理性があると思う。
席が空いている間であれば座っても良いのでは…?という考え方を、きちんとしたルールにすれば、問題はない。
それが、もうすぐ開業する上野東京ラインにあわせて誕生する、常磐線特急「ひたち」と「ときわ」で開始される新しい仕組みだ。
これまであった自由席は全廃され、すべて指定席のみとなる。
そのかわり、座席指定を受けていなくても、空席であれば着席可能な「座席未指定券」が発売されるという。
空席かどうかとか、もうすぐ指定される指定席発売済みの区間に入るかどうかといった状況については、座席上部のLEDのランプの色で判断ができるようになっている。
話がそれた感じだけど、こうした仕組みがないうちに、自分のルールを勝手に持ち込んで、そのルールが適用されないと「おかしい」と不満をぶちまける姿は、とても見苦しい。
この男性が、ある大学の副学長だというから、開いた口がふさがらない。
社会常識が通用するかどうかって、肩書きとはまったく無関係であることを痛感させられるエピソードだった。