4296 言わずおれない人たち
ちょっと前に話題になった、ジャポニカ学習帳の表紙から「昆虫の写真」が消えてしまったというニュース(Web魚拓によるキャッシュ)。
このニュースで、製造元のショウワノートが、富山県高岡市の会社だったというのを初めて知ったのだけど、それは置いておいて…
この対応は、保護者や教師から、「気持ち悪いから、やめてほしい」というクレームを受けたことによるものだという。
で、気になったのは、すでに目の前にある昆虫の写真が表紙のノートを見て、クレームを入れる人たちのことだ。
なぜ、彼らは、数ある商品の中から、“気に入らない表紙”のジャポニカ学習帳を購入した上で、わざわざ製造元にクレームを入れるのだろう?ということだ。
もちろん、製造元のショウワノートにしてみたら、こうしたクレームはありがたく、真摯に対応することになるだろうが、買う側としては、イヤなら買わなければいいのだし、気持ち悪いのは自分だけかもしれないのに、ご丁寧にも、自発的に製造元に不満をぶつけているのだ。
これはどう解釈したらいいのだろう?
ときどき話題になる違法行為や迷惑行為を、ツイッターでつぶやいてしまって炎上するのと、根っこは同じなのかもしれない。
こういう人は、おそらく「言わずにおれない」のだろう。
他人がどう思うが知ったこっちゃない。
いや、もしかすると他人も同じに違いないという義憤にも駆られているのかもしれないが、いずれにしても、思いやりが欠けていると思う。
表紙に載っている写真は、「子供たちが見られないものを写真で紹介することを最優先している」…という思いで撮られていると知ることもないだろう。
表紙写真は4、5年に一度刷新し、同じ品種は二度と採用しない。撮影には多額の費用をかけ、専属カメラマンの山口進氏が重い機材と寝袋持参で海外に何カ月も滞在する。その過酷さは、同氏が「アシスタントが定着しない」とこぼすほどだ。
クレームを入れる前に、状況を読み取ったり、少しでも意図を汲んだりしてみることが、大事だと思うのだけど…。
すぐにクレームを入れちゃう人は、抑えきれないんだろうな。