2353 病院の責任

社会・政治・事件

受け入れ先の病院が見つからず、搬送中の救急車内で心停止、30件目にようやく見つかった病院で、亡くなるという事件が、先月会ったばかりだが、今日も、交通事故で怪我をした男性が、5つの救命センターで受け入れを拒否されたために亡くなるというニュースを見た。

こうした問題が起きた場合の断った側の病院の言い分としては、別の救急患者の対応中であったり、対応できる医師がいないといった様々な理由があったようだ。受け入れなかったから「無責任」と責めることはできない。果たして病院の責任とはなんだろう?

確かに医師が不足している状況下で、病院の対処できる患者の人数を超えて、新たな患者を受け入れるというのは、相当難しいことだろう。受け入れが難しい場合でも、まずは緊急措置だけ施して、その後他病院に転院させたらどうか?という意見も聞いたことがあるが、これも相当難しい。緊急措置の治療中に重大な問題が起きた場合、そこに掛かりっきりになってしまい、新たな患者の受け入れは、更に難しくなってしまう。まして、忙しいからと処置をおざなりにはできないし、万が一事故を起こしてしまった場合、忙しかったということは理由としては認められないだろう。中途半端な体制で受け入れたことが“無責任”として責められるに違いない。

病院として、新たな“リスク”は、できるだけ避けたいと考えるのは当然のことだし、受け入れないことも、ある意味“責任”を果たしているとも言える。

医療を取り巻く環境は厳しさを増す一方だし、逆に医療に求められる期待は大きくなる一方だ。今回のような事件は、たまたま不幸が重なった結果なのかもしれないし、そもそも医師不足という根本的な大問題を解決しなくてはならないことは当然としても、直近で、こういう状況は仕方のないこととして受け止めるしかないのだろうか?

Posted by ろん