3605 鯉のぼりアートプロジェクト
ときどき、このサイトをご覧いただいている方から、直接メッセージをいただくことがあるのだが、先日、フランスの、デザイン制作代理店のスタッフの方からだった。
いつも楽しくサイトを拝見、そして勉強させていただいています。 たくさんのテーマについて書かれていらっしゃるようですが、特に芸能・メディア・広告の記事はいつも参考にさせてもらっています。
“勉強”だなんて…ありがとうございます! 身に余るお言葉。
メッセージは続き、この方の働いている会社で、東日本大震災から復興を願い、フランスNPO法人Ganbaloを設立、「鯉のぼりアートプロジェクト」を立ち上げた(プレスリリース)ということだった。
メッセージは…
もし共感していただけるようでしたらブログやSNSでこのプロジェクトを読者やファンのみなさんに紹介していただけないでしょうか?
…と続いた。
教えていただいたプレスリリースや、関連サイトを見てみると、これは、手作りの鯉のぼりで福島の子供達に元気を贈ろうという運動で、すでに活動を開始し、フランスにある事務局に集まった552匹の鯉のぼりは、海を越え、今日まで、福島現代美術ビエナーレの震災復興祈念事業で福島空港に展示されているという。
もちろんフランスでこのような活動をしていると言うことは、初めて知ったし、いろいろ考えさせられた。
東日本大震災から1年半が過ぎたが、復興はまだまだ途上だし、とくに福島は、地震と津波の影響に、原子力発電所の事故の影響も加わり、現在も相当なダメージを受けていることは周知の通りだ。
直接大きな被害がなかった東京で、慌ただしい生活を送っていると、どうしても忘れてしまうこともある…と、思うのは、もしかすると言い訳なのかも知れないと思った。
遠く離れたフランスでも、復興を願う人たちがいて、「けっして忘れてないよ」ということを示す行動に、ハッとさせられた。
とくに福島では復興が長期化する恐れがある。
そうなると、直接の当事者でない立場では、“風景化”してしまい、結果的に風化し忘れられてしまう。
こうした活動は、物資や金銭といった直接の支援ではないが、人々の意識に訴えかけるという意味で、すごく大事な活動だと思った。
メールはこんな感じで締められていた。
内側からだとどうしてもいいづらいこと、発信しづらいことがあるかと思います。被災者の人たちの声を、ここフランスを介して世界に発信することが復興とその先の日本の未来への原動力になると強く信じています。
「自分の置かれた立場でできることはなにか?」ということを考えて、それを継続して行動することこそが支援なのだ。
だから、“無理せず続けること”が大事なことかもしれない。
ご連絡いただきありがとうございました。