3595 たった15秒なのに、何十年もおぼえている
時間があったので、汐留にある「アド・ミュージアム東京」で、開催されている、特別企画展「日本のCMのぜんぶ1953-2012」を見学した。
以前から、広告の押し付けがましさは我慢できない。
テレビCMもその一部ではあるが、かつて“テレビっ子”だったこともあってか、CMは気になる。
例外と言ってもいいかもしれない。
1953年(昭和28年)8月に、民間放送がスタートして、来年で60周年となる。民間放送開始60年というのは、すなわち、そのままテレビCMの歴史でもある。
展示はまず、CMを切り開いてきたクリエーターたちが、どのように時代を捕らえ、CMを作ってきたかといったインタビューのコーナー。話はいずれも興味深い。
過去60年間、膨大なCMが作られてきたわけだが、そこからJAC(日本アド・コンテンツ制作連盟)が選んだ500ものCMを中心に見ることができる。
「楽しみを変えたCM」「美と感動を与えたCM」「生活行動を変えたCM」「生き方、目標を変えたCM」といった感じで分類し、それに沿ったCMを上映していて、全部を見ようとしたら、それこそ丸1日は掛かってしまうだろう。
テレビCMは、わずか15秒や30秒という枠があるからこそ、さまざまな要素が凝縮されいる。
その限られた枠に、表現を最大限の盛り込んでいるから、その時代を知らなくても、その時代の空気みたいなものを感じ取ることができるのだろう。
テレビは登場してから、テレビはずっと話題の中心であった。
ノスタルジーに浸るつもりはないけど、誰もが共有できた“素敵な時代”だったなという気はする。
そして、いま…。
時代を反映した歌謡曲がなくなって久しい。
そして徐々に、テレビが話題の主役でなくなりつつあるいま、“時代の共通語”をまたひとつ失ってしまうのかもしれない。
企画展の副題にあるように、実際に、たった15秒なのに、何十年もおぼえているのだ。
実際にリアルタイムに見て覚えてたCMをいくつか紹介してみたい。
フジカラーのCM。1980年。
美しい人はより美しく、そうでない方はそれなりに…
朝のリレーは、かなり感動したCMのひとつ。
小林繁と江川卓の出会い…CMでこういうことができるんだ…とビックリ。江川の恐縮しっぷりはCMを通じても良く伝わってきた。小林は放送から2年足らずでこの世を去る。
このCMは、本当に名作だと思う。
深津絵里の極端なまでに白いお化粧、パタパタとめくられる発車案内表示器、そして100系新幹線…どれもが時代を感じさせる。
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写真を探していたところ、たまたま見つけた、同じJR東海の、“シンデレラエクスプレス”のCM。
クリスマスエクスプレスのCMに比べると、あまり取り上げられることが少ないような気がするし、実際今回の企画展でも取り上げられていなかった。
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ユーミンの曲とマッチして、僕はすごく好きなCMだった。鉄道がこんなに幻想的に描かれたCMは、そうないんじゃないかな。
CMから新幹線に話が移ってしまったが…
他にも紹介したいCMが山ほどあるが、くたびれてきたのでこのへんにしておく。
将来、何十年も覚えているCMに出会うことができるだろうか?