3576 変な選択肢
Yahoo!ニュースにも載っていたこの記事が、ちょっと気になった。
タイトルは、こうある。
「婚活も安定志向＝「三高」より「三平」－民間調査」
なるほど、「三高」とは、かつてよく言われたし、いまでも根強い人気があるものだと思っていたが、どうもそうではないという感じのタイトルだ。
Web魚拓が使えないので、ちょっと長いが、記事を引用する。
婚活も安定志向＝「三高」より「三平」－民間調査
理想の結婚相手は「三高」から「三平」に－。結婚相談所運営の「結婚情報センター」（東京）が実施したインターネット調査で、年収や外見は平均的で性格も平穏な「三平」が男女ともに人気を集めている実態が浮き彫りとなった。担当者は「昔は三高（高学歴、高収入、高身長）が人気だったが、安定志向の世相を反映しているのでは」と分析している。
調査では、結婚相手の条件として「三高」「三平」「三低」（低姿勢、低依存、低リスク）の三つを挙げたところ、三平を選んだのは男性で８１．９％、女性も７２．８％とトップだった。理由には「普通が一番」「無理しない付き合いができる」などの声が上がった。
よく見ると、「三高」より「三平」とある。「三低」ではないのだ。
で、さらに気になるのは、「三低」というのは、三高＝高学歴、高収入、高身長の反対、つまり、三低＝低学歴、低収入、低身長ではなく、三低＝低姿勢、低依存、低リスクということになっている。
なんだこれは！？
あらためて、引用元をあたってみる。
あきらかに選択肢がおかしい。
“低”が特におかしい。 よくも、まぁ、ネガティブでない、“低”を探したものだ。
この違和感は、この調査をした組織を見れば、すぐに納得に変わる。
結婚相談所運営の「結婚情報センター」（東京）が実施したインターネット調査で…
結婚に対してネガティブな調査などするわけがない。三低＝低学歴、低収入、低身長 などという選択肢など、あってはならないのだ。
会員に該当者がいたら困るのだから。
そもそも、この会社がこの調査を発表するのは、結婚相談所に入るきっかけを作るため、話題作りなのだから、当然のことだ。
だから、この会社は悪くない。あくまで営業活動の一環なんだし。
こういった情報で、結婚に対する意欲を高めるのも理解できる。
問題なのは、これを取り上げた、時事通信だと思う。
調査というより、企業が営業活動の一環として意識的に発表しているNEWS RELEASEを、さも、普通のニュースのように扱う姿勢がおかしい。
以前からも再三言っているが、こういった、アンケートや調査を「疑って掛かる」ようにしないと、誤った情報を受け取ってしまいかねない。
これからも、きっと減ることはないだろうから、見る側が、注意深く見極めるしかないことなのだろう。