3353 気になる建物
午後、日本橋へ所用で出掛けた。
ちょっと時間があったので、日本橋高島屋の屋上に上がってみた。
以前、ある建築に関するイベントに参加した際に教えてもらった、気になる設備を見に行った。
それは、さまざまな機械や換気、冷却などの設備が収納されている塔屋と呼ばれるのので、通常は、何の変哲もない形をしているものだが、これは、ちょっと独特の形をしている。
この形を見て、すぐにある動物を思い出すことがでぎた人は、なかなか鋭い。
1950年(昭和25年)、日本橋高島屋の屋上に象が連れてこられた。名前は「高子ちゃん」というそのまんま。「象のいる百貨店」として人気になったそうだ。
そんなことがあって、象をモチーフにした塔屋が作られたという。
ほかにも、東郷青児デザインのエレベータの扉や、壁材に使われているアンモナイトの化石…
百貨店初の重要文化財に指定された建物だけあって、見どころが多い。
ここから少し歩いたところにも興味深い建物がある。
三菱倉庫の江戸橋倉庫ビルという建物で、見れば見るほど趣がある。
この建物が建て替えられるという掲示があった。歴史的建造物を残しつつ背後に超高層ビルと建てるという、最近よくある手法を取るようだ。
雰囲気が残るだけでも、よしとするべきか。
こちらの建物は、1930年建築。日本橋高島屋は1933年、そして、先日一部取り壊しが始まった九段下ビルは、1827年の建築。
重要文化財としてそのまま活用される建物…。
全面的な取り壊しは免れたものの建て替えられる建物…。
修復されることなく取り壊しされていく建物…。
関東大震災の復興を目的とした1930年前後に建てられた建物の末路は、人間のそれに似て、いろいろ考えさせられる。