3197 寄付(震災26日目)
震災発生以来、いろいろな芸能人や実業家たちが寄付を表明している。
あるプロゴルファーが今年獲得する優勝賞金をすべて寄付する…なんていう話にはとても驚いた。
最初は、単純にすごい話だ…と思っていたが、少し冷静に考えると、なにもこういうことを、表立って言わなくてもいいんじゃないかなぁ…という気もしてきた。
それがなぜそう思うのか? …自分でもよくわからなかったが、先日聞いたラジオで聞いた話から、その違和感の理由がわかった。
優勝がかかった試合…彼が優勝すれば全額寄付、しかし誰かが彼の優勝を阻止すれば寄付ゼロ
…もし、優勝を阻止する立場だったら、その人はどう思うだろう?
なんとか競り勝って優勝できたとしても、優勝賞金はそのままもらうことができるだろうか?
優勝を何度も経験したり、CMの収入があるのであれば、まだいい。しかし、たった1回であっても、優勝賞金を獲得できるがどうか?で、生活がかかっているとしたら、そう簡単に寄付なんてできないだろう。
そういう意味で、「全額寄付します」と公言してしまうことは、試合というものを変質させたり、無用のプレッシャーを与えてしまうことになりかねないのだ。
さらに驚いたのは、ソフトバンクの孫正義社長が100億円の寄付をするというニュース。
さすがにこれは、度肝を抜かされた気分。これまで、twtterを通じて、いろいろなことを発信してきた孫さんが、満を持して登場!
でも…落ち着いて考えてみると、これも、そのまま単純には受け止められない気がしてきた。
友人との会話で、もし100億円を1万人に分配したら、ひとり当たりいくらになるのか?と話題になった。
ひとりあたり100万円!
うーん…でも、100万円。
たしかに大金だけれど、あまりに巨額な100億円が、100万円という金額になってくると、とたんに小さく見えてしまう。
これを、被災者10万人に分配すると、1人あたり、わずか10万円にしかならない。
あまりに、今回の震災の規模の大きさを思い知らされる。
言い方は悪いけど、いくら寄付の金額が大きくても、薄まってしまえば、それほどのことではなくなってしまう。
つまり、大事なのは寄付の金額の大小ではない…ということだ。
人によって、できることは、それぞれ当然違う。
寄付や被災された方々への支援は、一部の人に任せるのではなく、ひとりひとりができることを、ちょっと結集しなければ、この難局を乗り切ることが難しくなってくる…そんなことを感じた。