3071 阻止する人
ある組織において、何か大きな問題があった。それは長年の懸案であり、そう簡単に解決するようレベルではない重い問題だった。
さまざまな解決プランを考えていく中で、ひとつの案が持ち上がる。ただそれは、直接的な解決プランではないし、多少手間の掛かることだった。
そして、そのプランを実行に移そうしたとき、阻止しようとする人たちが現れた…。
実は、この手の話はよくあることで、特別驚くことではない。何か新しいことをしようとすると、“ついつい阻止したくなる人たち”は、どんな組織にも必ずいる。彼らは、決して悪意があってそうしているのではなく、むしろ「よかれ」と思ってそうしている。
阻止する理由は、これまでの経験やそれに基づく予測から、新しいプランがうまくいかずに無駄に終わってしまうことを憂慮してのことなのだ。だから、できない理由をこれでもかというほど、次々と挙げていく。
こうして新しいプランは、できない理由の前に、あえなく却下されてしまうのだ。
ここには大きな問題が2つある。
まず、これまでの経験や予測で判断することが正しいとは限らないということだ。
そして、もうひとつ重要な事実がある。阻止しようとする人が、代わりに何か行動を起こしてくれるわけではないということだ。できない理由を挙げるだけで、決して行動しないのも、多くの事例で共通している。行動しないのだから、何も変わることはない。
どんな組織であろうと、大きな問題に立ち向かうためには、こんな共通認識がないと、大きな問題に立ち向かうのは、難しいと言わざるを得ない。
“まずは動いてみること”
たぶん、これが大事だと思う。