都市再生 千フィート今昔/渡部まなぶ
都市再生 千フィート今昔―渡部まなぶ写真集 渡部 まなぶ 樂書舘 2007-04 |
約30年から40年くらい前の航空写真とほぼ同じ位置で撮影された現在の写真と見比べる写真集。
時期的にはちょうど僕が生まれた頃の時代と重なる。もちろん僕はその頃の風景を知らないから、とても新鮮に見える。
総じて言えるのは、昔の都市はかなりゴミゴミしているものの、空は開放的でとても広い。逆に今の都市はかなりスッキリしてきているが、空はどんどん狭くなっている感じがした。
特に海岸沿いの建物の変化は凄まじく、お台場、晴海、横浜みなとみらいといったあたりは、河川や運河、海岸線の形でしか過去との接点が見出せないくらいだ。しかも、その海岸線ですら埋め立てなどによって変わっているから、共通点ですら見つけにくい場合がある。
見慣れた景色が、かつてはこんな風景だった…という発見はとても楽しい。
ただ本書のタイトルである、“再生”という言葉は気になった。再生とは、辞典よれば「衰え、または死にかかっていたものが生き返ること」とある。はたして、いまの都市は、本当に再生したといえるのだろうか?