3059 佐伯祐三アトリエ記念館

芸術・デザイン

「佐伯祐三アトリエ記念館」というところに行ってきた。

西武新宿線下落合駅が最寄り駅だそうだが、山手線目白駅から歩いてやってきた。

佐伯祐三は、大正から昭和にかけて活躍した洋画家で、画家として活躍した期間は8年程度という短さで、わずか30歳でパリで亡くなっている。

初めて彼の作品を見たのは、箱根仙石原にあるポーラ美術館で、その後、新宿歴史博物館で、ふたたび展覧会を見学する。

いずれも特に意図したわけではなく、たまたまであったのだけど、何度かの偶然が重なれば、おのずと興味が出てくるもの。

今年4月に、彼の日本での拠点であった、自宅兼アトリエを一般公開したという話を聞いていたので、少し涼しくなった、今日出掛けてみることにしたのだ。

まさに住宅街の一角にあって、記念館への道は、かなり狭い。記念館の周囲は、ベンチやトイレなどが設置され、小さいながらも公園として整備されていた。

ありがたいことに、入場は無料。

やはり、特徴的なのは、三角屋根のアトリエだ。

内部はきれいに整備されていて、当時の様子を知ることはできないが、壁面いっぱいの窓が、アトリエ内に外の光を取り込んで、とても明るいのが印象的だった。

この建物が建てられたのは、大正10年(1921年)。学生結婚した佐伯は、自身の実家も夫人の実家も裕福だったことから、この自宅兼アトリエを建てるための資金援助をしてもらう。2度にわたってパリに行っているため、この家に住んだのはわずかに4年だったという。

この時代に、自宅を建て、2度もパリに出掛けられるというのは、恵まれていたというほかない。もちろん彼自身の実力もあったことはもちろんだが、やはり“運”というものは、実力と同じくらいの意味を持つものだと思った。

Posted by ろん