2840 ベネッセハウス宿泊者専用モノレール
直島では、ベネッセハウスに連泊。いずれの建物も、安藤忠雄が設計したということで知られ、建築に関心のある僕も、もちろん気にはなるが、それよりも?気になるのは、宿泊者専用のモノレールがあるという建物があるということだった。
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ベネッセハウスには、ミュージアム棟、オーバル棟、パーク棟、ビーチ棟の4つの建物(いずれも設計は安藤忠雄)がある。そのうち、ミュージアム棟からオーバル棟に行くためには、専用のモノレールで行くようになっている。
ホテルの係から、乗車の仕方を教わる。1輌のモノレールが単線を往復していて、目の前にモノレールが無い場合は、一方の駅に止まっていることになる。それを確認することができるモニターが設置されているのだが、白黒のブラウン管。これほど不鮮明な画像も珍しいくらいの年代物…に見える。
操作や運転は、全く難しいことはないが、なんと言っても“モノレール”を操作するのだから、気合いは入る。なお、ここでは、撮影した時間が前後している写真も含まれているため、明るさが異なる場合があることはご了承いただきたい。
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モノレールが、“ミュージアム棟駅”に横付けされると、いよいよ乗車する。
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手で扉を開けると、すぐにボタンが2つ目に入る。目立つ赤色が非常停止、黒色が発車とある。緊急時連絡先として携帯電話番号が書かれており、そこには携帯電話がセットされていた。
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6人乗りで、座席はすべて下側に向いている。空調は家庭用のエアコン。
ドアを閉め、発車ボタンを押すと、そろそろとモノレールが動き出す。座席に座ると背中の方に向かって進んでいく感じ。
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モノレールは、ものすごいゆっくりと山を登っていく。歩くスピードよりもはるかに遅く…。ただケーブルカーのように引っ張ってもらうわけではなく、モーターを持って自走しているため、決してうるさくはないものの、音がする。
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とにかく、ゆっくりだ。
スピードも微妙に変化する。時には止まりそうなくらい遅くなるときもある。
昼間は瀬戸内海が見え隠れする。
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ケーブルで引っ張られるのか、それともむ自走するのか…なんて、ふつうは気にしないだろうけど、鉄道好きには大事な要素だ。
そもそも、このモノレールは実際には鉄道として分類されないが、鉄道好きとしては、どうしても“鉄道”として見てしまう。
メカニカルな部分でも、気になることはいろいろある。自走するモーターを動かす電気を取り込むため、架線が必要になるのはわかる。でも、なぜか6本もあるのだ。三相交流を使うのであれば、電線が3本であればいいはず。でも6本見える。なぜだろう?
突然、座席が動く。
これは、山の斜面が一定の角度ではなく、途中で少し平坦になったため、前の方につんのめることのないよう、座る面の角度が線路に対して平行にするための配慮だそうだ。
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山頂の“オーバル棟駅”へは、約5分ほどの道のり。モノレールや電車と同じように、ちゃんと前照灯がついている。
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片道5分の所要時間が掛かるため、もし自分がいま山頂駅にいて、車両が見えない場合、麓の駅に行くためには最低10分掛かることになる。建物の移動も意外と楽ではない。
宿泊する部屋によっては、右の写真のように、モノレールが山頂駅に到着しているかどうか、直接見ることができるが、ほとんどの部屋からは見えないので、直接駅に行って確認するしかない。車両がなければ、呼び出しボタンを押して待つのみ。
のんびりとモノレールがやってくる。
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こういうところでは、焦ってはいけない。こうして待つ時間も、楽しむくらいでないと…。