2576 文化庁メディア芸術祭

芸術・デザイン

加山又造展を見に、国立新美術館に行ったのだが、上のフロアで「文化庁メディア芸術祭」というイベントが開かれていたので、こちらも見学してみた。

アート、アニメ、映像、ゲーム、ウェブ、マンガなどなど、世界44ヶ国・地域の2146もの作品から選ばれた優秀作品が展示されていた。階下の加山又造展と比べると、見学者の年齢層はぐっと下がって、かなり若い人たちが多かった。

軽く見ていこうというつもりだったが、意表を突かれる作品の数々に、つい長居してしまった。時間があればもっとじっくり見学したかった。

どれも大変面白かった。正直、自分でも思いつきそうなものも少なくないのだけれど、こうして、ちゃんと形にすることができるかどうかが、その人の本当の才能なんじゃないかなと思う。

順不同で、写真が撮れた作品を紹介したい。

タイプトレース道~舞城王太郎之巻

何の変哲もないキーボードが…
何の変哲もないキーボードが…
自動的にタッチタイプ
自動的にタッチタイプ

誰もいないのに、キーボードが勝手に文字を入力して、文章を作り上げていく。自動的にピアノの鍵盤が動いて演奏するというのは見たことがあるが、キーボードは初めてだ。自然でリズミカルに入力するさまは、まるで透明人間がそのキーボードを入力しているかのような感じだった。

Carbon Footprint

無意識に通り過ぎようとしていたところ、たまたま目に入った映像に釘付けになった。道端に棄てられた缶が、長い時間を掛けてどんどん腐食していくのだ。一瞬、本当に何年も掛けて写真を撮り続けたのではないかと思ってしまった。実際はすべてCGで作られているようだが、かなりの手間が掛かっていたるようだ。(実際の作品がウェブサイトで紹介されている→こちら

Standard Time

14:02
ただいま、14:02
14:03…かなり慌ただしい
もうすぐ、14:03

これもモニターに釘付け。日本ではないどこかの国の空き地で、時刻を示す数字が並んでいる。これを数人の人たちがぞろぞろ集まってきては、数字を修正している。そう、いまの時間を表しているのだ。解説に寄れば、実際に24時間かけて、実に1600回以上の作業を繰りかえしたという。最上級の尊敬の意味で、とんでもなく“バカ”らしい。

Green Island

新宿駅西口が一面の芝生に…
新宿駅西口が一面の芝生に…
代々木駅前が一面の芝生に…
代々木駅前が一面の芝生に…

何気ない東京都心の風景。アスファルトが芝生に変わるだけで、こんなにも優しい感じの風景になってしまうということに驚かされる。こんな簡単な表現で、緑の力の強さを見せつけられた気がする。

十二支/TWELVE ANIMALS

世界地図?
世界地図?
十二支のうち、ねずみ
十二支のうち、ねずみ

パッと見た瞬間に、これの元ネタが世界地図であることは、すぐにわかったのだけど、実は、作品名を見るまでよく分からなかった。普通の人は、逆に、まずは?ちゃんと十二支に見えるものなのだろうか?面白い。なるほど、こういう“遊び”もあったか!?と思い知らされる。

Posted by ろん