4103 特別展「キトラ古墳壁画」
いま上野の東京国立博物館で、キトラ古墳の壁画が展示されている。
展示は一昨日から始まったばかりだが、平日にもかかわらず、入場制限されるほどの混雑だったらしい。
金曜日だけ開館時間が20時までなので、会社帰りに見られる今日行ってくることにした。
キトラ古墳は、奈良県明日香村にある。
作られたのは飛鳥時代の末期。7世紀医終わりから8世紀初めのころ。
石棺のなか、東西南北のそれぞれの壁の中央に青龍、白虎、朱雀、玄武が、天井には天文図が描かれている。
1983年に玄武が発見され、その後次々と壁画が発見される。また、天井に描かれているのは、星の総数277個ある本格的な天文図で、東アジア最古だという。
埋葬者は現在までのところはっきりしていないそうだが、皇族かその関係者、側近である可能性が高いらしい。
そんなキトラ古墳は、これ以上の劣化を防ぐため、古墳から運び出された。そして、特別に東京で展示されることとなった。
現地での新しい展示施設が建設されると、もう外部での展示は行われなくなるらしいので、東京で見られるのは最初で最後ということになる。
前置きが長くなった。

日が長くなって、上野に着いたときは、まだ明るかった。
覚悟はしていたが、入館まで30分待ち、壁画見学まで30分待ちということだった。

もちろん並んで待つ。
しかし、行列は遅々として進まず、結局1時間近く並ぶことになった。


精巧なレプリカを見たあと、お目当ての実物の壁画を見学。
実物の壁画を間近で見るためには、さらに10~20分ほど待たされる。
当然、一切写真撮影は不可なのだけど、何にも無いのもつまらないので、文化庁のサイトから見つける。

とはいえ、実際にどういう風な絵だったのか?…について、もちろん今回の展示では触れていたものの、なぜかネットではあまり見掛けず探すのに苦労した。

鑑賞を終えると、お土産コーナーへ。

定番のポストカードや、クリアファイルはもちろん、なぜかチョコクランチ、最近は必ずあると言ってもいいくらいのTシャツ、そしてちょっと欲しくなった石室を再現したペーパーモデルなど、種類は豊富だった。

久しぶりの東京国立博物館だったが、当然ながら他の展示など見る時間もなく…。また来たい。正面入口の階段は、よくロケで使われている。記憶に新しいのは、ドラマ半沢直樹の『東京中央銀行』

20時の閉館時間を過ぎても行列は続いていた。さすがにちょっとくたびれた。

ゆるキャラたちの後ろ姿もどこか寂しい。
1300年のときを経て、実物の絵を鑑賞できたということに、ちょっと感動する。
相当狭く、そして暗い石室の中で、懸命に描いた絵師たちの気持ちはどうだったのだろう? そして1300年後、こんな行列までして見に来る人たちのことを、どう思うのだろう?
…なんて思いながら、博物館をあとにした。