7421 開館40周年記念「旧朝香宮邸を読み解く A to Z」

博物館・展覧会,芸術・デザイン

東京都庭園美術館(旧朝香宮邸)
東京都庭園美術館(旧朝香宮邸)

東京都庭園美術館で開催中の「開館40周年記念 旧朝香宮邸を読み解く A to Z」を鑑賞。ときどき、建物を中心とした企画展が開催されているが、今回は特に詳しい解説が加えられていて、旧朝香宮邸を知ることができるようになっているという。

邸宅を解説するキーワードにちなんだ解説シートが、あちこちに置かれていて、それを集めながら、探索していく趣向のようだ。

A〜Zまで順番に並んでいるのではなくて、その場所を紹介するキーワードの頭文字になっていた。

AからZまでのキーワード
AからZまでのキーワード
ラリックのレリーフ
ラリックのレリーフ
大広間
大広間

何度となく来ているし、建物自体の鑑賞もしているが、それでも毎回、何かしらの発見がある。いつも最初に入る大広間の一部で、ふだん覆われているカーペットが取り除かれ、寄木細工の床が見えるようになっている。

こうした展示は、他の部屋でもあって、木の組み方が異なっているところもおもしろい。

大食堂の張り出し窓
大食堂の張り出し窓
アンリ・ラパンの壁画
アンリ・ラパンの壁画
大食堂の照明
大食堂の照明

そして、やっぱり気になるのは、部屋ごとに工夫されている照明の数々。大食堂の照明は、パイナップルとざくろをモチーフにした、ラリックの作品だそう。

他の部屋の照明もいい。

ついそれぞれの部屋ごとに写真を撮ってしまう。

邸内のあらゆるところが被写体だから困る。

若宮居間の照明
若宮居間の照明
妃殿下寝室の照明
妃殿下寝室の照明
妃殿下居間の照明
妃殿下居間の照明
殿下寝室の照明
殿下寝室の照明“”

夏場に涼を求めて家族で過ごしたという開放的な「北の間」に作品の展示があった。

事前に予習したつもりだったが、他にもあちこちにこうした作品の展示が、“ひっそり”と行われていたようだったが、あまり気づくことができなかったのは残念。

竣工時そのままの壁紙
竣工時そのままの壁紙
伊藤公象《「土の襞」―白い風景―》
伊藤公象《「土の襞」―白い風景―》
10分ほど待機
10分ほど待機

今回一番のみどころは、屋上階に温室として作られた「ウインターガーデン」かもしれない。ここは通常、展示室としては使用されておらず、今回も人数を限定して入れ替えで鑑賞するようになっている。

今日は比較的過ごしやすい気候だが、真夏ではとてもいられたものではない気がしたが、良く見れば、多くの窓が開くようになっていて、風が通るように工夫されているようだ。

誰もいないところを見計らって…
誰もいないところを見計らって…
ウインターガーデン
ウインターガーデン
新館では、これまで観てきたことのおさらいと、補足などを紹介する展示があった。
さいごにおさらい
さいごにおさらい
復習とさらに学ぶ
復習とさらに学ぶ

朝香宮鳩彦王がフランス留学中、交通事故に遭ったため長期滞在することになったが、ちょうどそのころ、フランスはアール・デコの全盛期。

その様式美に魅せられた朝香宮夫妻が、自邸の建設にあたって積極的にアール・デコ様式を取り入れたのが、この旧朝香宮邸なのだ。

さまざまな奇跡が、この建物を誕生させたことがわかる。

Posted by ろん