6859 宮城壮太郎展
世田谷美術館で開催中の「宮城壮太郎展 使えるもの、美しいもの」を鑑賞。
この企画展まで知らなかったが、かなり身近なところで、彼のデザインしたものを利用していたことに気付かされた。
自宅の洗面所で使っている石鹸置き、会社で使っているファイルケースもそうだった。
“作品”として展示されているが、どれも身近なものなのがおもしろい。
ただ、今回のこの企画展、彼が携わった作品が展示されている“だけ”のように感じられたのは、ちょっと残念だった。
どうして、こうしたデザインに至ったのか…といった解説や展示が乏しかった気がする。
たとえば、今回の企画展のポスターやパネルになっている「ラウンドボウルズ」は、すべてを重ねられるように設計されているところを紹介すべきだろう。
しかし、展示は横にずらりと並べられていただけで、重ねられた状態はミュージアムショップの店頭にしかないのだ。
単純な展示が主体に感じられたのは、もしかすると、彼が60歳という若さで亡くなって10年以上も経ってしまっているからかもしれない。
そう考えると、現在も活躍を続けていたら、もっと彼の考えを聞くことができただろうし、さらに、さまざまな作品に出会えたかもしれないわけで、残念に思う。