ダム/萩原 雅紀

■建築・都市,龍的図書館

4840118043 ダム
萩原 雅紀

メディアファクトリー 2007-02-16
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先日読んだ「工場萌え」を思い起こさせるような、その名も「ダム」。本書のカバーの見開き部分にこのようなことが書かれている。

怒濤の放流、あふれる様式美、
そして「ふたつと同じものがない」
多種多様なデザイン。

僕らの心を惹きつける巨大建造物
-ダムの魅力がここにある。

形式上は同じタイプに分類されるダムでも、建設される場所の状況により、さまざまなデザインのダムが存在する。一口にダムと言っても、すべては“一品物”で、たたずむ場所によって、いろいろな表情を見せてくれる。

人間の作る構造物の中でも、最も大きな物のひとつ。ダム。

ごくごく一般の人にとっては、ただ大きい建造物にしか見えないことか多いと思う。僕も多少は感心はあったけれど、知識がないがために深くは入り込めなかった。「工場萌え」同様、興味のある存在であることを、この本で改めて知らせてくれた。

日本中のダムの中から、“よりすぐり”の40近くのダムを紹介。ダムの美しさをとことん堪能できる。ダムの見方や用語辞典などもあって、ダムを見るための入門書として最適だ。専門用語は多いが、言葉が見えてくると、これまで漫然と見てきたダムがしっかりと見えてくる。見るポイントが押さえられ、ダムの違いや比較などもしやすくなる。

今後改訂版が出るとしたら、ひとつ要望がある。
できることならば、これらのダムの場所を地図や行き方なども合わせて紹介して欲しいということだ。著者もきっとこの意見に同意してくれるはず。ダムの魅力はやはり実物を見るに限ると思うから。