民子/浅田 次郎

■芸術・デザイン,龍的図書館

404853405X 民子
浅田 次郎

角川書店 2001-09
売り上げランキング : 52109

Amazonで詳しく見る by G-Tools

動物は決してしゃべることはないけれど、「間違いなくこんな事を言ってるだろう」と自信を持って言えることもある。これは飼っている者にしかわからないことで、たとえそれが犬であろうと、猫であろうと、ハムスターであろうと同じだ。

動物とのふれあいを描く話はいろいろあるが、本書は、これまで数々の泣かせる話を書いてきた浅田次郎によって書かれた。自身の体験を描いたとされるこの話も、ご多分に漏れず泣かせる。

何気ない猫との関わりを描いたこの作品は、テレビCMを目的に書き下ろされたものとのことだが、残念ながらこのCMはあまり覚えていない。

小説というより、写真集のような、映画のワンシーンを思わせる。著者の猫を愛する気持ちが随所にあらわれている。