1638 生と死の間で

物思いに耽る(雑感)

 朝晩はだいぶ過ごしやすくなって、見上げれば秋らしい感じの雲が見受けられるようになってきた。足下に目を転じると、そこにはわずかな期間だけ大空を自由に飛び回ることを許された蝉たちが、横たわっていた。彼らは何を思いながら、この世を去っていったのだろう。
 まぁ蝉なんだから、特に何を考えたってことはないのだろうけど、死を目の当たりにするという事実は間違いない。

 よく、死ぬ直前には、これまでの人生を「走馬燈のように」振り返ると聞く。あと事故に遭う瞬間などは、すべてがスローモーションのようにゆっくりと時間が進むなんてことも聞く。そんな経験をした人が一人や二人といった数ではないところを見ると、実際にそうなのかもしれない。
 あまり昔のことを覚えてない僕が走馬燈のように振り返って思い出すことって何なんだろう。おそらく相当くだらないことだったり、何でこんなことを思い出すんだろう…というものばかりのような気がする。そんなことを思い出しながら死んでいく自分に、きっと一人でツッコミを入れていることだろう。

Posted by ろん