5589 無理やり乗り込む人
混雑による遅延はしょっちゅうだ。
今朝、自分と同じか若干年上の男性が、発車ギリギリで無理やり乗り込んできた。
駆け込み乗車というほどではなかったが、乗り切れない状況で乗ってきたので、当然ながら身体が電車からはみ出して、扉が閉まらない。
上半身がほとんど出ている。
駅員が身体を押し込み、扉が閉まったが、今度は、鞄がはみ出している。
駅員が鞄を押し込む。
いったん空いた扉がまた閉まる。
でも、まだ完全に閉まっていない。
今度は、この男の足が外に出ているようだ。
駅員もいい加減にしてくれといった感じで、
「足を引いてください!」
…と、強めの口調で男に言う。
ようやく扉が閉まり、列車は出発できたが、実際そこまでして、この電車に乗る必要がこの男に遭ったようには思えない。
もちろん、ただの偏見だ。
でも、無意識の行為で、このような感じで列車が出発できないわけで、ある意味、この通勤電車に乗り合わせた客全員が、この たった一人の見ず知らずのの男に、命運を握られいたのだ。