1592 いやらしい話

定点観察

知人のヤマちゃんは、話の節々に「要は…」という言葉が入る。実際そのあとに続く話は、別にまとまっているわけではなく、そんなに”要”してないので、口癖みたいなものだろう。

「要は…」に代表される?、会社内で接続詞的に使われる言葉は、落ち着いて考えてみるとちょっと妙だ。あまりに自然に使われるため、気付かなければ、そのまま流してしまうところだが、最近、気になって仕方がない。自分でもつい使ってしまうことから、なおさら気になる。ここで改めて思いついた言葉を列挙して、その意味を味わってみたいと思う。

「そういう意味で言うと…」
 僕も、かなりよく使う。どういう意味だよ!と突っこみたくなるこの言葉は、これまでの話を軽くまとめたり、言い換えたりしたいときに使う。「言い換えて言うと」と同義かな。

「変な話…」
 話の途中で変な話を挟むなよ!と突っこみたくなるこの言葉は、これまでの話を受けて、例え話の枕詞だったり、モノの見方を変えたいときに使う。たいていの場合は、それほど変な話ではない。

「ぶっちゃけた話…」
 前述の「変な話」よりさらに、妙な例え話や独自の理論を展開したい場合に使う。ぶっちゃけているので、相当変な話でも、許してもらえる…かも。あまり多用しすぎると、ぶっちゃけたままになってしまうので注意。

「いやらしい話…」
 別にエロい話をするわけではなく、”自分に都合のいい”という意味で使われているみたい。この言葉をあらかじめ使うことで、自分にとって都合のいい話をしているということを、相手に事前に知らせる効果がある。

 こうして挙げてみると、普段から僕自身も使っているかもしれないと思えた。こうした言葉を使うと、とても話しやすいのも事実だ。

 これらの言葉は、要は、相手に自分の主張を伝えるときにできるだけ抵抗を小さくするために使われる言葉で、そういう意味で言うと人間関係の潤滑油のようなものかもしれない。変な話、相手に対する優しさと見ることもできなくもない。でも、ぶっちゃけた話、特にそういう意志を持って使われているわけではなく、いやらしい話、自分の主張を相手に受け入れてもらいたいがために使っているという見方もできる。

 いずれにしても、相手には不快感を与えないような、適切な言葉遣いを心がけたいと思う。

Posted by ろん