1054 別れ

定点観察

小学生のころの話。帰り道友人と別れるところ。分かれ道で「じゃあね」と僕が言うと相手が「バイバイ」と言う。そのまましばらく歩いたところで、僕は再び「じゃあね」と言った。相手も「バイバイ」と言い返す。その返事を待っていたかのように、また「じゃあね!」と言うと、相手も負けじと「バイバイ」と言うものだから、いつまで経っても別れられない…というより、距離がどんどん開いていくものだから、お互いかなりの大声だった。◆比較的最近の別れのとき。自分に手を振ってくれる人を、いつまでも見ることができない。なぜなら、途中で相手がいなくなっていたり、もし振り返ってみていなくなっていたら、きっとすごく寂しい気がするから。もう30歳も過ぎたが、振り返って考えて見ると、小学生のころのあの声を張り上げていたのも、似たような理由だったのかも知れない。

Posted by ろん