3843 松坂屋銀座店

建築・都市, 街歩き

松坂屋銀座店は、6月30日をもって一時閉店することが決まっている。

これは、松坂屋銀座店を核にした周辺一帯の、銀座六丁目再開発のためのもので、完成の目標は2016年8月末というから、3年以上もの大規模なプロジェクトだ。

“ なくなってしまう”というと、つい見に行ってしまいたくなる。ということで見に行ってきた。

店の前を通るたびに、行こう行こうと思っていたものの、なかなか行く機会はなかった。

松坂屋銀座店のすぐ目の前が、ソフトバンク銀座で、iPad miniを買うために朝から並んだのを思い出した。

店頭にはカウントダウンを知らせる電光掲示があって、15の数字が光っていた。

松坂屋の創業は1611年!そして、1924年、銀座でもっとも早くから開業したのは、この松坂屋銀座店だった。

建物自体の竣工は1952年。日本橋高島屋や日本橋三越のような歴史があるわけではなく、際だった特徴が少ないせいか、特に保存されるといった話は聞かない。

店内をちょっと歩いてみたが、これは…というモノが見つからなかった。

まぁ百貨店の商売とは関係ない話だろうけど。

階段の壁に沿って、銀座店の開業から88年の歴史を振り返るパネル展が行われていた。

閉店まであと半月となり、店のセールにも力が入る。写真では空いてるように写っているが、お客さんでごった返していた。

屋上へやって来た。

たしか屋上に、松坂屋の紋章がドーンと掲げてあったはずだけど見当たらない。

よく見ると、建物の壁に白い陰が…既に取り外されていたようだった。

それにしても、人が少ない…。

店内が閉店セールで混雑しているとは思えないくらいに。

“やる気がないか?”というとそういうわけでもない感じだった。

というのも、遊具を調整している係のお兄さんの振る舞いがとても明るく、小さなお客さんにも優しく接していたからだった。

銀座の地に誕生したばかりのころの屋上には、ライオンやヒョウなどが集められた動物園もあったというから、今とは比較にならないくらいの賑やかさだったのだろう。

あと半月でなくなってしまうとわかっている風景は、何を見ても、もの悲しくなってくる。

屋上から降りる階段室。

想像していた以上に、とても開放的な空間だった。

直線上に街が広がる銀座では、あまり眺望が期待できないが、ここでは意外なほど通りや街がよく見えた。

ここが、こんな見晴らしのいい場所だったとは知らなかった。

僕にとっては最初で最後の風景となるだろうけど、ちょっとしたいい思い出になった気がした。

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Posted by ろん