7573 企画展「大倉集古館 寄贈品展」
企画展「大倉集古館 寄贈品展」を鑑賞。大倉集古館設立者である大倉喜八郎や嗣子喜七郎ゆかりの作品を含む、近年の寄贈作品を中心とした企画展。
相変わらず写真撮影が一切不可だ。
展示は1階が日本画を中心、2階が備前焼を中心とした展示となっていた。
いくつか気になった作品を挙げてみると…
並木瑞穂《さやえんどう》
画面いっぱいにさやえんどうが描かれている。
解説によれば、発表された当時は、”描きこみすぎだ”と評価が低かったそう。
現代の視点からはサイエンスイラストレーションのような独特な魅力を感じることができる…とあって、時代によって評価はまったく変わっていることがわかる。
児玉素光《山の湯》
故郷の長野県山ノ内温泉郷を描いたということだったが、どこだっけと思って調べたら、長野の湯田中温泉のこと。
まるで温泉の湯気に包まれているかの様な幻想的な緑の中に、温泉宿と長い連絡通路のような廊下が見える。
宿の二階にはタオル?手拭い?が干されていて、リアルな温泉の雰囲気が伝わってくる。
川合玉堂《暮るる山家》
全体的に、どこかほのぼのとした雰囲気があるのに、馬を洗う桶から立ち上る湯気がとても写実的。馬の様子に目を奪われてしまうが、じっと見ていると、いろいろと発見がある。梅がぽつりぽつりと咲いていたり、奥の方には大きな月が浮かんでいたり…。
大智勝観《梅雨あけ》
木々の緑に加えて、筍や竹、どくだみの花などが生き生きと描かれ、タイトル通り、梅雨明けの植物たちの勢いを感じる。こんなことを言っては何だけど、見ようによっては、”なんてことない”近所でも見られそうな風景ではある。
これは作品ではないけど、《端午》という作品の英訳が「Dragon Boat Festival」となっていたのに驚く。中国語からの翻訳のようだ。
2階を中心とした備前焼については、”良さ”というか、どの点が評価されているのかが、よくわからない感じだった。
ちなみに、今回は地下の作品展示がまったくなかった。