7975 永青文庫企画展「近代日本画の粋 あの猫が帰って来る!」

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久しぶりの永青文庫
久しぶりの永青文庫

今日は、文京区目白台にある永青文庫へ。目白駅から都営バスで最寄りのバス停へ。

そこからまた数分ほど歩く。

永青文庫は、どの駅からの遠く行きづらい場所にあるが、今日のような過ごしやすい天気のときは、それほど苦にならない。

重要文化財の菱田春草《黒き猫》が、クラウドファンディングによって修理が行われ、その完成を記念しての企画展だった。

修理前の《黒き猫》は、以前開催された「東京国立近代美術館70周年記念展 重要文化財の秘密」で鑑賞しているはず…。

でも、あのときは、数多くの重要文化財作品のなかに紛れ込んでしまったせいか、あまりよく覚えていない。

その《黒き猫》は、最初に入った展示室の正面にあった。

ガラス越しなのは仕方ないが、そこからさらに奥まった場所に展示されていたせいか、ちょっと見づらい感じ。

単眼鏡を使ってよく見てみるが、ちゃんと見えない。

これはいったいどういうこと?

もしかして猫の毛並みの表現が絶妙で、焦点が合わないせい!?

さらに、これまで猫ばかり意識してしまっていたが、その猫の乗ってる枝やその上の葉などもかなり細密に描かれていることがわかる。

こうした気付きは、直接鑑賞できたからわかったことだとすると、見にきた甲斐があったというものだ。

さまざまなエピソードが紹介されていたが、最も印象に残ったのが、細川誕立と菱田春草との最初の関わりだ。

幅広い分野の美術工芸品のコレクターとして知られている永青文庫の設立者・細川誕立が、展覧会で、横山大観、下村観山とともに菱田春草に感銘を受けたそう。

このとき、なんと17歳で、東京帝国大学に在学中の21歳のとき、初めて彼らの作品を購入しているそうだ。

あと、気になったこととして、さきほど紹介した「黒き猫」の展示は前期のみで終わってしまうという。

作品の保護のためということだが、企画展の名前にもなっている作品が展示されない期間があるということには、違和感を覚えてしまう。

Posted by ろん