6807 本能?
コンクリートの壁が続く道路を歩く。
ところどころに穴が空いているのは、雨水などの抜くためだろう。
その排水口を見ると、どれも決まって、空き缶が入っていた。
いくつかに入っていたのではなく、ほとんどすべての排水口に空き缶が入っていた。
確かに口径は、ちょうど空き缶くらいの大きさではある。
その絶妙なサイズのせいか、その高さがちょうどいいせいか、ほとんどすべての排水口に空き缶が“セット”されていたのだ。
人は本能的にこういした穴に、何かを入れておきたくなるのだろう。
しばらくして、この排水口を覗いてみると、すべて空き缶が取り除かれていた。
掃除が入ったのだろうか。
しかし、しばらくすれば、また空き缶が“セット”されていくのは想像に難くない。