6796 失望を生むことになるのではないか…
岸田首相が国連で演説したというニュースを見た。
この演説で、日本は基金を創設し、世界の若い人たちを日本に招いて被曝の実態に触れてもらうのだという。
たしかに、若い人に関心を持ってもらうのは、とても良いことだ。
しかし、 NPTの核不拡散という理念とは裏腹に、核保有国は増える一方で、そうした国々が条約に不参加では機能していない…ということをどう考えるのかとか、核廃絶が目標なのに、日本がなぜ核兵器禁止条約に日本が不参加なのか?といった実態を見ると、日本が核廃絶に本気で取り組んでいるのか…と思いたくなる。
もし、この基金によって日本を訪れた若い人たちが、そうした矛盾や疑問を問いかけたら、いったい何と答えるというのだろうか。
若い世代が核廃絶に向けていろいろ考えても、結局何も変わらない…ということになれば、ただただ失望しか生まないではないか。
いまから具体的な行動に移していかない限り、この状況は変わらないと思う。
もちろん日本の置かれた立場は理解しているし、やむを得ない面もあることもわかっている。
そうした状況であるにもかかわらず、あえてこうした施策を取り入れることに違和感を覚えてしまうのだ。
もしかすると自分たちでは解決方法が見つからないから、若い世代に期待する(→丸投げ)…っていうことなのだろうか。