6756 東海館

建築・都市

内部の見学は初めて
内部の見学は初めて

静岡県伊東市にある「東海館」に行ってきた。

建物の外観はこれまで見たことがあったが、館内に入るのは初めてだった。

東海館は、1928年(昭和3年)建てられた温泉旅館。

現在は、温泉旅館としては廃業しているが、伊東市に寄贈されて往時をしのぶことのできる観光施設となっている。

館内に入ると、ちょうど説明が始まったところだったので、話を聞く。

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広い玄関
広い玄関
営業時の品々
営業時の品々
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”雁行型”の廊下
”雁行型”の廊下

3人の棟梁にそれぞれの階を担当させて腕を競わせたそうで、その手法はユニークだ。

ただ、伊東市に寄贈後は、耐震化工事のために、館内の雰囲気はかなり変わってしまったとのことだった。

開口部がふさがれたり、補強の柱が入ったりして、ずいぶん暗くなったという。

これぞ温泉旅館といった感じ
これぞ温泉旅館といった感じ

かつての客室は解放されていて、各部屋を見学できる。

とても印象的なのは、明り取りの障子の格子だ。

各部屋で違ったデザインになっていて、かなり凝っている。

三保の松原をイメージした格子
三保の松原をイメージした格子
各部屋で違う格子
各部屋で違う格子
細かな意匠があちこちに…。それらが映し出す影まで見どころになっている感じ。
影も美しい
影も美しい
120畳の大広間
120畳の大広間

 

伊東祐親、三浦按針、東郷平八郎など、日本の歴史に大きく影響した人たちと伊東のかかわりについての紹介も興味深かった。

特に伊東祐親(いとう すけちか)の祖父である工藤祐隆が、この地を伊東荘(しょう)を形成したということで、伊東という地名の由来となっていることは初めて知った。

伊東祐親や八重姫の紹介
伊東祐親や八重姫の紹介
三浦按針の紹介
三浦按針の紹介
狭い階段を上がって、展望楼へ。

残念ながら、現在は高い建物が増えてしまっているものの、4階に相当する高さもあれば、かつては伊東の街が一望できたはずだ。

そのころの様子を勝手に想像しながら眺める。遠くに初島も見えた。

展望楼
展望楼
初島が見える
初島が見える
ひととおり見学を終えて、1回の喫茶室へ。

土曜日ではあったが天気が悪かったせいか、お客さんは誰もおらず、ゆっくりと過ごすことができた。

クリームあんみつ(珈琲付)880円
クリームあんみつ(珈琲付)880円
喫茶室でひと休み
喫茶室でひと休み
館内は、かなり見どころがあって、とても楽しかった。

Posted by ろん