6326 スポーツの価値観すら変わってしまうかもしれない
東京オリンピック日本選手団に対するワクチン優先接種が実施されることが明らか明らかになった。
オリンピック担当大臣がこれまでは完全否定していたのに、あっさりと撤回されたわけだが、もうこういう事態は驚くに値しない。
世界でワクチンの接種が極めて遅れている日本において、日本の選手だけがワクチン未接種というわけにはいかないのは、最初からわかっていたことだった。
それなのに「まったく検討していない。現時点ではもちろんだが、これから先も具体的検討を行う予定がない」と完全否定するから、国の言うことがまったく信じられなくなるのだ。
考えているのに「考えてない」と言ったり、逆に、考えていないのに「考えている」という対応が続けば、その発言を真正面から受け止める人がいなくなり、その言葉の裏ばかり読むようになり、ついには誰も言うことを聞かなくなる。
もう最近の日本はそんなことになってしまった気がする。
これまで、東京オリンピックの開催に対する批判は、IOCやJOC、東京都や国に向けられていた。
しかし、“のらりくらり”とかわしたところで問題が解決するわけではないのに、いつまで経っても事態の改善は見られない。
そうして徐々に批判の矛先が、オリンピックのアスリートたち、さらにはスポーツ全体にまで及びつつある気がする。
東京オリンピックの強行開催は、スポーツそのものの価値観を大きく変えてしまうかもしれない。
それくらい重大な影響を与える気がしてならない。