5007 思わず失笑
先日の都知事選挙で、何が一番失望したかと言えば、野党共闘の候補者として出馬した、鳥越俊太郎氏の言動のひどさだった。
そして、よせばいいのに、当時を振り返るインタビューがウェブサイトに載っていた。
やはり、彼のあらゆる発言が突っ込みどころ満載だった。
そもそも、彼に対して選挙中から感じていた強烈な違和感は、これまでの”ジャーナリスト”としての言動と、選挙戦での言動がまるっきり違うということだった。
ネットで公開される討論会に対する不信感について問われた回答は、こんな感じだった。
もちろん(不信感はある)。それ(出ないこと)は僕が決めたんじゃないけれど、全く関与していないから。選挙ってそんなもんなんだよ。候補者が何でも知っていて、何でも決めていると思うだろう? そうじゃないんだよ。候補者って要するに、街宣のときにしゃべるコマだから。でも操られていたとは思わない。与えられた仕事を、それぞれがみんな、その場その場でやっていて、候補者はそのうちの1つなんだよ。もちろん重要な柱なんだけれど。
もし彼が”現役のジャーナリスト”だったら、こうした発言をする候補者に対して、なんと言うだろう?
候補者は「街宣のときにしゃべるコマ」なんて言い切られたら、有権者はいったい何を信じたらいいのか?
「操られていたとは思わない」とは言っているものの、しゃべらせている人物や組織は誰なんだ?ということになる。
有権者の不信感は募る一方だ。
さらに、テレビやネットでの討論会に参加しなかったのは、選挙の裏方”選対”が全部決めていたことで、自分はまったく知らないと言い切った。
贈収賄容疑などでの常套句「全部秘書がやった。自分は何も知らない」と、何が違うのだろう?
選挙後に自分のサイトから都知事選の記述が一切削除されている…について聞かれると…
それは知らない。僕は全くノータッチだから。なくなったの?知らない。見たこともないし。あなたたち(ハフポスト日本版)には悪いんだけれど、ネットにそんなに信頼を置いていない。しょせん裏社会だと思っている。メールは見ますけれど、いろんなネットは見ません。
ここまで言い切られると、あまりにも無責任すぎて、思わず失笑してしまう。
この記事を読んで、あらためて、彼を都知事にしなくて本当に良かった…と、誰もが思うはずだ。
そして、こういう人を担ぎ出してしまう野党に対して、多くの人たちは、「やっぱり野党も頼れないんだ」…と、さらなる絶望を味わったに違いない。