[社会の窓]廃墟
自転車での移動中、ふと、ずいぶんと人の手が入ってない物件があることに気がついた。
駅から徒歩2分前後といった交通至便の場所で、これまでも、ときどき通っていたのに、きちんと意識して見たのは、今日が初めてだった。
あらためて見てみると、相当の期間放置されているような雰囲気。
まさに廃墟だ。
最近はあまり探索する機会がないが、廃墟好きだ。
もちろん廃墟は最初から廃墟だったわけではなく、誕生したばかりのころは、多くの人が集い、賑やかだったはずだ。
そこから、さまざまな変化を経て、現在の廃墟に至るのだけど、そうした経緯を勝手に想像したり、思いを馳せたりするのが楽しい。
そこには、決して知ることのできないドラマがある。
誰の目にも触れられることなく、放置され時間が止まったままの建物と、わずかな時間を共有する。
可能な限り、建物と対話してみる。
手軽に非日常世界を覗いたような気分。