4661 訪日外国人向け次世代券売機を試す
先日、東京都交通局と東京メトロから、訪日外国人向け次世代券売機の試行運用行うという発表があった。
従来の券売機のユーザーインターフェイスを刷新して、シンプルで分かりやすく使いやすいものにしたという。
報道発表資料に記載された特徴としては…
- 操作画面に32インチの高精細ディスプレイを採用(従来は15インチ)
- 乗車券購入は「駅名」「路線図」「観光スポット」から選択可能
- 「観光スポットで探す」では、目的駅までの乗車経路を表示し、さらに到着駅から目的の観光スポットまでの概略図を表示
以前、秋葉原駅で見たJRの旅行案内機の表示する結果があまりにひどかったので、東京メトロや都営地下鉄が作ったら、どういうものになるんだろう…
単純な興味でしかないのだけど、気になったので、どんなものか、試験運用中の都庁前駅まで見に行ってみた。
現地に到着すると、同じようなことを考える人はいるもので、先客がしきりに写真を撮っていた。
僕に見られていることに気付いたのか、しばらく写真を撮った後は、その場を離れてくれた。

まず、標準的な機能について…
英語・中国語(簡体字)と日本語の3カ国語に対応して、言語を切り替えできるようになっていた。
そして、前述の通り、 3つの選択肢の乗車券購入方法のなかから選ぶ。


駅名選択の画面では、日本語なら50音から、英語だとアルファベットの一覧のなかから、最初の一文字を選ぶ。

今回、一番気になったのは、ルート検索がどうなっているのか…ということだった。
たとえば、最短ルートが明らかに他社線だった場合に、どういった案内を表示するか?
JRの場合は、それこそ無理矢理JRを使わせようとして、妙な結果を表示していた。
同様に、観光地までの最短ルートも、もし他社線のほうが便利だったら、どういう結果になるのか?
というのも、試験運用する駅として都庁前が選ばれた時点で、こうした懸念が回避されていたのだ。
つまり、都庁前は、都営大江戸線のみの駅なので、必然的に地下鉄を使用する選択肢しかあり得ず、たとえばJRとか他の私鉄を利用するということは起きない。
また、観光スポットも、東京スカイツリー、六本木、築地、浅草、東京タワーの5カ所に絞っていて、こちらも必然的に、地下鉄が最寄り駅になる場所ばかりだ。
まぁ、券売機が表示する観光スポットなのだから当然と言えば当然か。

東京メトロと都営地下鉄が共同事業なので、券売機上に表示する路線図は、両者区別はない。
ただルートによって、当然ながら運賃に差が出てしまうため、東京メトロ経由と都営地下鉄経由の選択画面が出てくる。
このあたりは、外国人にはわかりにくいかもしれない。
機能面では良さそうだけど、運賃や観光地の案内ルートなど、今後他の駅に展開したときに、新たな問題が出てきそうな気がした。