4369 ひな祭り
自分にとっては、数ある行事の中でも、もっとも縁遠い行事のひとつかもしれない。
ただ、子供の頃は、妹のお祝いの“おこぼれ”に預かるという点で、それなりに関わりのある行事だったかもしれない。
ふと、おなじみの、ひな祭りの歌を思い出した。
あかりをつけましょ ぼんぼりに
お花をあげましょ 桃の花
五人囃子の 笛太鼓
今日は楽しい ひな祭り
でも、最初に思い出したのは、これではなく、替え歌の方だった。
あかりをつけたら 消えちゃった
お花をあげたら 枯れちゃった
五人囃子が 死んじゃった
今日は悲しい お葬式
地域によって、替え歌の歌詞の一部は異なっているようだが、共通して言えるのは、おめでたく、楽しいはずの歌を、あえて反転させるという点。
ごく一部で行われているのではなく、どうやら全国で連綿と伝えられているということを考えると、もはや、人間の本能に近いことなのかもしれない…と思う。
子供の考えることは、往々にして残酷である。
タブーであったり、ネガティブであったり、大人たちが触れることを憚られる事象に対する執着は、すごい。
そして、大人になると、そういったことから、“卒業”していく。
人の成長のプロセスというのは、おもしろい。