3932 とっさの行動

物思いに耽る(雑感)

また踏切で痛ましい事故が起きた。

線路に横たわる男性を発見した女性が、父親の制止を振り切って、「助けなきゃ」と踏切内に入り、男性を押し出したところで、列車にはねられ亡くなった。

もし僕が現場に居合わせたら、どうしていただろう?と考えてみた。

おそらく、どうしていいかわからず、固まってしまうような気がする。

いや、単純に、倒れている人を押し出せば、難を逃れることができるかもしれないのだがら、無意識的に身体が動いてしまうかもしれない。

実際、ずいぶん前のことだけど、、踏切ではないが、似たようなことを経験したことがあるのだ。

駅前の道路を挟んだ反対側に、止めていた自転車(ママチャリ)荷台に荷物を括り付けようとしていた女性の姿が目に留まった。

前輪には、引っかけるタイプの椅子に子供が座っていた。

ふとイヤな予感がして、じっと見ていたら、自転車がバランスを崩し、横転しそうになったのだ。

もうとっさだった。

ガードレールを乗り越え、道路を横切り、倒れかかった自転車を何とか押さえることができた。

もしこのまま横転していたら、子供は頭を地面に叩きつけられていたはずだ。

女性には大変感謝されたことは嬉しかったし、何より、無事だったのは本当によかった…と思った。

しかし、冷静になってあとから考えてみると、道路へ飛び出したとき事故に巻き込まれたかもしれないのだ…。今でも思い出すと、背筋が凍る思いがする。

とっさの判断で動いて、それがうまくいくかどうかは、博打に近い。

状況がはっきりしないのであれば、一呼吸置いて、冷静な判断をすべきなのは間違いないだろう。

踏切であれば、非常停止ボタンを押すのが、無難な対応だし、そうすべきだろう。

でも、「助けたい!」という一心で、勝手に動く身体を止めるのは難しいのだ。

亡くなった女性の、ご冥福をお祈りします。

Posted by ろん