3931 メール
入社したばかりのころ、メールは、とても仕事で使えるような代物ではなかった。
新入社員同士で、メールを送りあったら、小一時間も遅延して届くことなんてざらだったのをよく覚えている。
当時の伝達手段は、固定電話かFAXだったし、パソコンのない机も少なからずあった。
それがいまでは、言うまでもなく、すっかり様変わりしてしまった。
仕事のやりとりで最も重要な手段は、メールとなり、固定電話もFAXも使わなくなり、携帯電話は、メールを補助する程度の使用頻度になっている。
相手の都合や時間を気にせずにやりとりできるメールは、やはり便利だ。
ちゃんと記録として残るから、ありがちな、言った・言わないも起きにくい。
メリットも多いメールだが、メールという手段があるせいで、相手の作業を中断させる“電話”という手段を使うことに対するハードルが上げてしまった気がするのは、僕だけだろうか?
でも、電話だったら、ひと言で済ますことができるような用件でも、メールだと手間を感じることも少なくない。
会話では、なんとなく雰囲気やニュアンスで伝わるようなことでも、文字ではそうはいかない。
そして返事を得られるタイミングが、相手の都合になってしまうため、いつ返ってくるかわからないという不安もある。
たいていの場合、それほど時間も掛からず返ってくるものだが、なかには、何日経っても、まったく返してこない人もいる。
こんなとき、「いつまでも返事が来ない!」と、つい相手を責めたくなるが、あくまで、こちらが勝手にメールという手段を使ってるだけだと考えると、「待てよ…」という気になる。
もしかすると、こちらが“横着している”報いなのかも…とすら思ってしまう。
こんなときは、メールばかりに頼らず、遠慮せずに直接話しに行ったり、電話を掛けたりすればいいのだ。
本当の、メール(手紙)を送ってみるのも、おもしろいかも。