3686 電波を吹く
iPad miniを買ってから、この手の話題が多くなっているけど…。
最近、地下鉄に乗っていると、走行中でも電波が入る区間が増えてきたと実感することが多くなった。
すでに一部区間では駅間でのデータ通信を目的とした携帯電話の利用が可能となっているが、都営地下鉄については今月中に全線(一部を除く)で、また東京メトロ全線と、大江戸線の都庁前~光が丘については、来年3月までをめどに、サービスを開始するとしている。
かつてポケベル(!)や携帯電話は、地下鉄では使えないというのが常識で、一方、PHSだったら、アンテナ装置が比較的小さいために利用できるという話もあった。
それがいまでは、通話目的ではないとはいえ、駅どころか走行中のトンネルでも圏外でなくなるというのだから驚きだ。
「昔は携帯電話は地下鉄では使えなかったんだよ」
なんて話をしたら、年寄り呼ばわりされる時代が来るのだろう。
最近は、プラチナ電波だとか、ELT…じゃなくて、LTEといった、電波の種類や通信規格を意識する機会が増えてきた気がする。
そういった電波や規格を、一般の利用者が意識している(携帯電話会社からしたら“意識させてる”)という、今の時代、ちょっと不思議といえば不思議だ。
僕のように多少興味があっても、LTEは、ロングタームエボリューション(Long Term Evolution)の略なのに、Long Term Revolutionのだと誤解してしまうことがある。これでは、長い革命になってしまう。
さすがにこんな誤解をする人はいないだろう…と思ったら、ニュース記事で誤り発見。 ちょっと恥ずかしいかも。
こうした用語は、どうしてもわかりにくいものだけど、面白いなと思った表現がある。
「電波を“吹く”」という表現だ。
ITmedia
「かなりよく(電波が)吹いていた」。田中社長は翌日の発売イベントで自慢げに胸を張った。
ITmedia
「SBMのほうが電池が長持ちする」という。基地局については、アンテナ3つで電波を吹くセクター型が97%で、オムニセルは3%に過ぎないと説明した。
日本経済新聞
ホームの端やトンネルの入り口に指向性が高いアンテナを設置して電波を「吹き込む」方法。
基地局から携帯電話に対して電波を“発信”もしくは“送る”ことを指すようだが、なかなかおもしろい言い方だと思った。
例えば、パソコンで言えば、電源を入れることを“立ち上げる”とか、動作が“重い”といった感じに近いのかもしれないが、時代が変わっても、仕組みや規格がややこしく難しくなっても、こうした人間の感覚に近い表現を聞くと、ちょっとホッとする。