3219 何のための節電か?(震災56日目)
都営地下鉄では「節電ダイヤで運転」ということで、通常よりも運転本数を減らしている。
他の一部の路線でも行われているが、都営三田線では、日中ばかりでなく、なぜか夜の時間帯も継続して行われている。
減らし方は、単純に間引いているだけなので、本来5分おきのところが10分間隔になったり、6分おきのところが12分間隔になっとしまう。
本来は数分で来るところ、10分以上待つというのは、意外と長く感じる。
待っていて気になるのは、いったいこれって何のためにしてるんだろう?ということだった。
赤丸が間引かれた電車 |
元はといえば、震災と人災による影響で原子力発電所が停止してしまったことが原因だ。それにより、電力供給が不足してしまうから、節電している…はずだ。
しかし、現時点では電力供給量に問題はないはずで、また、そもそも、電力消費のピーク時に節電するのならわかるが、21時とか22時に節電して、何の意味があるのだろう?
これは、他の“節電対応”にも言えることで、多くの数のエスカレーターが終日停止している。「元気な人は歩け」というのはわかるが、お年寄りをはじめ足の不自由な人は、動いているエレベータを使ってくれということか、かなり遠回りさせられてしまっている。
エスカレーターを終日止める意味がわからない。
無駄なエネルギー消費を抑えるという意味での節電ならば意味はある。これまで無駄に明るかった照明は消した方がいい。
でも、本来必要とされていたから動いていたはずの電車やエスカレーターまで止めてしまうというのは、どうだろう?
この状況では、原子力発電所が稼働再開することは考えにくいし、代替エネルギーで原発なみに電力供給ができるようになる…なんてことは、まずない…。
…ってことは、このまま、半永久的にずっと電車の運転本数は減らしたままだし、エスカレーターも止まったまま…ということになってしまうのだろうか?
実際は、いずれ、かなり先になるかもしれないけど、タイミングを見計らって動かすことにはなるだろう。 きっと今と、電力の供給状況はほとんど変わらないはずなのに。
節電…というのは、あくまで世間に対するポーズであって、電力消費を抑えること自体、実は特に目的ではないんだろうなぁ…って穿った見方をしてしまう。