3165 大雪の夜に
仕事を終えて会社から外に出ると…
いつの間にやら、雨が雪に変わっていた。今朝、天気予報を見てなかったので、傘なんて持ってこなかった。仕方なく、置き傘を持っていく。
駅までの道のり…雪はどんどん強くなって、わずかな時間ではあったが、どんどん積もっていっている感じがした。
でも、地下鉄に乗ると、そんな雪のことを忘れてしまい…
電車から降りたとき…ふと気がついた。
あ、傘を忘れた…
すぐに駅事務室に向かい事情を話すと、車内を捜索してくれるという。
いま乗った列車の乗っていた車両や乗車位置、傘を忘れた場所などを伝える。もちろん、傘の特徴も。ただ特徴なんて、あまりにオーソドックスな、何の変哲もない傘だったので、話しているうちに、手間を掛けさせて申し訳ない気分でいっぱいになった。
列車はすでに数駅ほど先を走っていたので、駅員に待ちかまえもらって、傘を捜索。
発見の連絡。
すぐに見つけてくれた駅まで移動する。
駅長事務室に行くと、僕の傘が乾くようにちゃんと広げてくれて待ってくれていた。細やかな配慮が嬉しかった。
手放してから30分ほどで再会した傘は、やっぱりあまりにごくごく普通の傘だった。
駅で電車を待っていると、
見慣れない風景が広がっていた。
もちろん、忘れ物をしなければ、こういった景色を見ることも、こうして写真を撮ることもないのだけど、街が静かに雪に覆われている瞬間だった。
東京都心ではこの冬、初の積雪として観測されたそうだが、積雪量としての記録は、これでも2cmらしい。
突然の雪に、少し嬉しくなって、ダミーと記念撮影。
ただ、帰り掛けの自転車の運転は大変だった。
そんなこんなで、ふだんの日の倍以上の時間を掛けて、ようやく帰宅。
くたびれた…。