3115 ベトナム人のこと
先述の通り、出張の詳細については記すことはできないので、差し障りのない範囲で、今回で掛けたベトナムホーチミンとハノイでの感想を記したいと思う。
今回、日本企業を顧客に持つ会社を訪問した…ということもあるが、誰もが、日本に対してはとても好意的であると同時に、日本を足がかりに、ビジネスを拡大していこうという気概も感じることができた。
この会社では、人材育成にも力を入れており、英語とともに日本語教育も重点的に行っているらしい。
現地での案内をしてくれた方も、大学時代から、日本語の勉強を一生懸命されたという。
突然、彼女は、車での移動中、中島みゆきの「幸せ」という曲を歌ってくれた。これが日本人以上に上手な歌声で、本当に聞き惚れてしまった。
彼女が読んでいた歌詞も日本語だったのだが、そのノートを見て驚いた。かなり丁寧な文字が並んでいたからだ。
また日本語を学びはじめたばかりの学生とも、ちょっと話ができる機会があった。みんな、とても人懐こく、日本語の勉強は大変ではあるけど、楽しいと話してくれた。
そのうちのひとりは、日本人である僕と、なんとか話をしようとする機会を逃すまいと、頭を抱えながら、日本語の単語をひねり出そうとしてた。
こうした努力は、きっと実を結ぶであろう…と思う。
ひるがえって考えてみると、僕は、こうした努力とはずいぶん縁遠くなっているな…と思わずにはいられなかった。
日本語をなんとか喋ろうとしていた彼もそうだったが、今回ベトナムで出会った人たちは、皆、とても好奇心旺盛で表情豊か…という印象を受けた。
例えば、ダミー。今回ほど、ダミーが人気を集めたのは珍しい。
ふだん見慣れないような、得体の知れないモノに対して、明らかに感心のある表情をし、実際に触ろうとするのだ。
日本であれば、仮に感心があったとしても、逆に無関心を装うのがふつうだ。
努力を惜しまず勤勉で、日本に対して好意的なベトナム人たちのことを、日本人はもっとよく知るべきだろうし、もっとさまざまな面で協力できることもあるんじゃないかと思った。