2788 カプセルタワービル望年会(忘年会)
先日、憧れのカプセルタワービル内部に初訪問して、中銀カプセルタワー応援団に勝手に入団して以来、思いは募るばかり。しかし、ここ最近、いろいろなことで忙しかったものだから、なかなか訪れることすらできない状態だった。
そんな中、中銀カプセルタワー応援団で、カプセルタワービル望年会が挙行されるということで参加することができた。
ちなみに、忘年会ならぬ望年会なのは、年を忘れるのではなく、さらなる新しい年を望むという意味が込められている。
会場の“地下秘密倶楽部” |
会場はカプセルの中…というと、あまりに狭すぎるので、中銀カプセルタワー応援団では、毎度おなじみの“秘密地下倶楽部”。
開始時間より遅れて会場にやってきた。当然、望年会は始まっている時間だったので、会場を覗いてみると、かなり大勢の人たちが座っていて、しかもみんな神妙な面持ち。
「あれ?今日はやってないのかな?」
と、思わず外に出てきてしまった。主催者のナカプーさんに電話を掛けるが出てこない。やはり、今日は何かあったのかもしれないと、勝手に思いながらも、タキさんに電話。
「もちろん、やってますよ!早く来てくださいよ!」
…あれ?
あらためて店に入ると、先ほど入ったときとはうってかわって、かなり賑やか。神妙な面持ちの皆さんは、なんと全員が望年会参加者だったのだ。僕が遭遇したのは、話題と話題の狭間だったのか、誰かの話にみんなで耳を傾けている最中だったようだ。
皆さんにご挨拶させてもらって、あらためて、みなさんで乾杯をあげる。
住民の皆さんはもちろん、住人の方と関わりのある方や、建築関係者やその先生など、総勢二十人近く?。
確実に言える共通点はただひとつ「カプセルタワービルに興味がある」ということだけだが、その1点だけで十分だった。僕にとっては多くが初対面の方ばかりなのに、お話しするのにはなんの抵抗もなく、まるで旧知の友人のような気がした。
…とは言っても、近代建築史についてとか、もちもちの話題とか、あまりカプセルタワーの話題が出ることはなかったが、とても楽しい時間を過ごすことができた。
途中から参加した…ということもあって、実は最後まで皆さんの名前と顔が一致しなかったのだけれど、これはいずれわかってくるだろう。
先生と建築史の皆さんとはここでお別れ |
あとから知ったのだが、参加されていた近代建築史の先生は、以前僕が読んだことのある本の著者のひとりで、とても有名な方だった。なのに、建築に関して偉そうな話をしてしまった自分が恥ずかしい…
“秘密地下倶楽部”での一次会が終了して、続いてカプセル内覧会へ。
声に出すと力が抜ける感じ |
ビルの入口の看板?が、つい先日までは、
カフセルタワービル
だったのに、いつの間にか…
カフセルタワーヒル
時間の経過とともに情けない状態になっていた。
各住人の方のカプセル訪問。前回もいくつかのカプセルを訪問させていただいたが、今回はよりたくさんのカプセルを拝見することができた。全く同じ広さでも、住む人の志向や個性が表れていてとても興味深い。
あり得ない空想だけれど、“自分だったらこうしようかなぁ”なんてことを考えるのも、ちょっと楽しい。
カプセルにある窓、エアコン、照明といった設備、住人が持ち込んだ家財道具など、ひとつひとつがみんなの興味の対象だった。
カプセルめぐりをしながら、さきほど先生が「(この建物を設計した)黒川紀章よりも、こうして住んでいることに価値がある」といった感じのことを仰っていたことを思い出す。もちろんこんな突飛な建物を設計した黒川紀章もすごいし、それを認めた中銀もすごいし、実際に住んでいる皆さんもすごいわけで、そのすごさにちょっとでも触れる機会に恵まれたということに、感動に近い感覚を覚えた。
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