UFO学入門/皆神 龍太郎
UFO学入門―伝説と真相
楽工社 2008-03 |
UFOとは何かということを徹底的にまとめ上げた本。
どうも、UFOというと、もしかすると、いるような、やっぱり、いないような…という中途半端な存在である。
それは、最近でこそ減ったが、UFOや宇宙人が、ときどきスペシャル番組とか、東スポ一面に載ったりすることがあるからだ。たいていの場合、それらは、UFOや宇宙人について、「いるかもしれない」という程度で、深く追求することなく終わってしまうからだ。
そこで紹介された、宇宙人死体写真や解剖フィルムなど、特に、日本テレビの特番のプロデューサー、矢追純一のせいで、宇宙人が怖くなったという人は多いだろう僕もそのひとりだ。
宇宙人解剖フィルムより |
本書によれば、UFOの調査はすでにいくつも行われていて、ある一定の結論が出ているという。
アメリカ空軍がUFOの調査を目的とした「プロジェクト・ブルーブック」によると、実に94%以上が見間違え…つまり誤認であることがわかっている。
恒星・惑星 … 35.2%
広告用飛行機 … 22.5%
飛行機 … 19.1%
隕石 … 11.0%
月 … 2.2%
などで、ほかには、いたずらやサーチライト、鳥、凧、果ては空中を飛ぶゴミに至るまで、あらゆる物体がUFOになりうるのだ。なかには、何人もの人々が同時に、明るく輝く金星をUFOと間違えたというケースもあった。
何人も見たということですら、当てにならないのだ。
世界最初のUFO事件であるケネス・アーノルド事件、ロズウェル事件、宇宙人と出会って宇宙のことをいろいろ教えてもらったと主張するコンタクティの代表として、アダムスキーが登場。アダムスキーといえば、世界中に“UFOと言えばこの形“という典型的なイメージを作り上げた功労者?だ。
アダムスキー型UFO |
UFO同様、世間を騒がせた、ミステリーサークルについても、触れられている。
結局、ミステリーサークルは作った…という人たちが名乗り出たのだが、話は続く。
これまで「人間が作ったものではない」とか「人間には作れない」と主張してきた科学者が、引っ込みがつかなくなってしまい、逆に名乗り出てきた人たちを嘘つき呼ばわりするという、笑うに笑えない事態になってしまったのだ。
仕方がなく、自分たちが作ったという証拠を挙げながら作るというわけのわからないことになってしまった。
これは、UFOの問題に通じる出来事だと思う。
もしかすると、UFOがいると言っている人たちは、すでにウソであることを知っていながら、引っ込みがつかなくなったり、生活のためにやっている?のかもしれない。
たくさんの怪しい主張や怪しい説が出てくるが、そのたびに、次々とそのいかさまぶり、インチキぶりを論破していくさまは、読んでいて爽快だ。
それでも、UFOが存在して、地球に宇宙人がやっていると言えるだろうか?