2090 企業行動に見る漠然とした不安

定点観察

企業が利益を追求するのは当然のことだ。

利益を追求するために、さまざまな取り組みを行う。原料や仕入にかかる値段を下げたり、新商品を作ったり、売る先を広げてみたり。並行して、社内でかかる経費の見直すことも行われる。

企業や組織を維持していくために、一番お金がかかる部分は人件費。多かれ少なかれ、ここに手を付けるのは当然の帰結だ。
人件費を切りつめるには、残業をさせないこと、早期退職させること、新規の採用を押さえるなど、いろいろな取り組み方がある。

最近、こうした人件費を抑える方法として、海外にアウトソーシングすることも増えているようだ。例えば、データ入力やコールセンター業務といった比較的単純な作業を、中国の大連で行う企業も増えているという。日本の1/3程度の費用で請け負う会社もあるようだ。

工場を中国に作って安い人件費で製品を作る…ということは、よく聞いていたが、いままで企業の中でごく普通に行われていた仕事まで、あくまで単純作業とは言え、こうして中国で行われているということを知ったときは、ちょっとしたショックだった。

そりゃお金のかかる日本より、お金のかからない中国に仕事をしてもらった方が安くあがるし、中国も雇用が確保され外貨も得られる。人口が減っていく日本にとってもいいのかもしれない。

確かに人件費を下げる究極的な方法は、そもそも人がいなくなることだ。工場ばかりでなく、伝票処理やコールセンターといったものまで中国に移っていくことに、漠然とした不安を感じてしまった。 ここまで切りつめないとダメなのか…と思う僕は、頭が固いのだろうか?

Posted by ろん