1772 能力主義減り、終身雇用志向とはいうものの…
(財)社会経済生産性本部」が実施した「2005年度新入社員 半年間の意識変化調査」で、能力主義より終身雇用や給料重視の志向が強まっている傾向が見られるというニュースを見た。
新入社員研修の参加者に調査しているにもかかわらず、アンケートの回収率が48.3%と低いのがちょっと気になるけど、まぁ一般的な大手企業に勤める新入社員の考え方が垣間見える。主な傾向をピックアップしてみると…
◆回答率が減った質問
- 「業績や能力が大きく影響する給与システム」
- 「仕事を通して発揮した能力を基に評価され、昇格に差がつくような職場」
- 「仕事の成果で評価されることを前提に、時間・場所などを自由に選べる職場」
- 転職する際の決め手として「仕事のやりがい」
◆回答率が増えた質問
- 「今の会社に一生勤めようと思っている」
- 転職する際の決め手として「給料」
景気は回復基調にあるとはいうものの、やはりこれからの社会に対する不安はあるわけで“守り”に入ろうとしているようにも見える。ニュースもそんな感じで伝えているようだ。また、新入社員に限らず、かつて“新入社員”だった人たちも、もしかすると同じような傾向にあるのかもしれない。
ただ、この傾向が単純に“守り”に入っているだけとも言い切れないような気がしてならないのだ。もしかすると、ここに能力主義の限界があるのではないかとも思えてくる。
個人で仕事している人たちと違って、組織の中で働く以上、能力主義には正しい評価が必須となる。組織に所属する多くの人たちが認める「正しい評価」があってこその能力主義だ。差別やえこひいき、極端な例外などがあってはならない。また一方で結果的に直接お金や数字に結びつかなかったとしても、何らかの方法で評価されることがなければ、モチベーション(やる気)は早々に失われることになる。
能力主義を維持することは膨大な手間暇が掛かるのだ。もし、能力主義を維持することができない…ということであれば、ここに記載はないけど年功序列や、終身雇用や給料重視というきわめてわかりやすい方向に向かうのは必然と言えるだろう。
専門家じゃないんで、だんだん深みにはまっていくのが書いていてわかるんだけど…(笑)じゃあどうしたらいいのかということは、またの機会に。