現実入門/穂村 弘
現実入門 穂村 弘 光文社 2005-03-23 |
人生の経験値が極端に低く、ずっと現実から逃げてきたという著者が、編集者にけしかけられつつ、さまざまな体験を通じて感じた「ありのまま」を綴ったエッセー集。
著者のことは、この本を通じて初めて知った。飄々とした文体は読んでいてとても楽しかった。
献血に始まり、モデルルーム見学、占い、健康ランド、はとバス、競馬…などなど、僕も経験したことのないことを疑似体験できた。
しかし、それだけで終わらないのが、この本の面白いところ。「花荻窪駅」という駅の登場で気付いてしまった。先に気付かずに、もうちょっと“騙された”ままでいたかった気もする。