1560 よみがえってこその記憶力

定点観察

 著名な建築家が母校の小学校を訪問して後輩に授業をするというNHKの番組で、実は卒業したのは隣の小学校だったことがわかったというニュースを、同課のパンダさん(仮名)が教えてくれた。
 まぁ昔のことだから、間違えることだってあるだろう。建築家本人が誤ってそう主張していたのだから、NHKを含めて関係者を責めることはできない。
 さすがに母校の名前くらいまでは僕だって覚えているが、それ以上のことになると、ちょっと僕自身の記憶力もかなり怪しい。くだらないことや変なことはいくらでも覚えているのに、小学校時代のことはもちろん、中学、高校、大学、そして社会人に至るまでの出来事で記憶していることなんて、ものすごいわずかだ。この期間の主だった出来事を挙げたようとしても、おそらく両手の指の数で収まってしまうだろう。だから、自分の年表を作れなんて言われても、ほとんど白紙になることは間違いない。
 たまに、ものすごい昔のことを昨日のことのように詳しく覚えている奴がいる。よくそのような記憶領域が頭の中に用意されているなとびっくりする。僕の場合は、この期間に日記を書いてたこともあって、日記を読み返せば当時がよみがえるという最後の手段が残されているものの、昔を振り返りたいときは、ある日突然やってくるもので、いちいち読み返すようなことはできない。記憶は、適切なときによみがえってこそ役に立つのだと思う。

Posted by ろん